top of page

食品表示法改正最新情報2023まとめ

更新日:1月22日


食品表示改正最新情報2023年まとめ

今回は、2023年上半期までに実施された食品表示法の改正に関する最新情報をご紹介します。


■「くるみ」のアレルギー表示義務化

「くるみ」のアレルギー表示義務化

・公布日:2023年(令和5年)3月9日~

・経過措置期間:2025年3月末まで


2023年3月9日、食品表示基準の一部を改正する内閣府令が公表され、特定原材料(義務表示)として「くるみ」が追加されました。今回の改正の背景は、3年毎に実施される「即時型食物アレルギーによる健康被害の全国実態調査」の報告書(消費者庁)に基づきます。2017年度(平成30年度)の調査では、鶏卵、牛乳、小麦に次いで「木の実」が4番目に多い原因食物でしたが、2021年度(平成3年度)の調査では、「木の実類」は、鶏卵、牛乳に次ぐ3番目となりました。内訳はくるみが最多の463例で、これは2番目に多いカシューナッツの174例件と比較しても著しく多い数字であることがわかります。


2020年食物アレルギー原因食物の内訳


<カシューナッツについて>

現在「特定原材料に準ずるもの(20品目)」に含む「カシューナッツ」についても、症例数の増加が報告されていることから「特定原材料(義務表示)」への追加が検討されています。健康被害を考慮し、できる限り迅速かつ適切なアレルギー表示が求められています。


<食品関連事業者等が必要な対応>

1.アレルゲンとしてくるみを表示していない場合は、速やかに「くるみ」を表示する。

2.原材料と製造方法を再確認する。

3.原材料段階での管理に関する仕入先へ再確認する。

4.必要に応じてアレルゲン検査を行い、確認する。



■遺伝子組み換え表示制度「任意表示」の厳格化

・公布日:2019年4月25日~

・完全施行:2023年4月1日~(猶予期間は既に終了済み)


遺伝子組み換え表示制度は、消費者が食品を購入する際に、遺伝子組み換え作物が使用されたかどうかを知るための表示ルールです。「義務表示制度」と「任意表示制度」があり、2019年4月に遺伝子組み換え食品の表示に関する食品表示基準による一部改正では、任意表示が厳格化されました(2023年4月1日完全施行)。


以前は、遺伝子組み換え原料が全体の5%以下であれば「遺伝子組み換えでない」と表示できましたが、今回の改正では不検出の場合のみ「遺伝子組み換えでない」と表示できるようになりました。


<任意表示制度>

遺伝子組み換え2023年最新基準

<食品関連事業者等が必要な対応>

・5%以下に抑えている遺伝子組み換え原料を使った加工食品があれば、適切に分別生産流通管理(※)された旨を任意で表示可能。


・表示例:「大豆(分別生産管理済)」など


※分別生産流通管理:遺伝子組み換え食品と通常の農産物が生産、流通、加工の各段階で別々に管理されていること。


■「EPA・DHA産生なたね」を特定遺伝子組換え農産物に追加

公布日/施行日:2023年3月9日~


エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を産生させるために遺伝子組換えが行われたなたねから製造された食品が、市場に出回る可能性が高いことから、特定遺伝子組換え農産物(組成、栄養価等が通常の農産物と著しく異なるもの)として「なたね」が追加されました。


EPA及びDHAの法改正後対応表

※主な原材料:全原材料中、重量が上位3品目以内かつ5%以上のもの。


<食品関連事業者等が必要な対応>

EPA及びDHAを産生させるために遺伝子組換えが行われたなたね由来の食品に、その旨を付記する。


・EPA・DHA産生をなたねを原料とするなたね油の表示例:

「食用なたね油(EPA、DHA産生遺伝子組み換え)」など


■食品添加物の不使用表示に関するガイドラインの公表


・公布日:2022年3月30日~

・経過措置期間:2024年3月末まで

2022年3月30日に消費者庁が公表した「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」により、食品の添加物の不使用表示に関する規制が導入されました。このガイドラインでは、食品表示法の禁止事項に該当する恐れがある表示を10の型に分類しています。


<食品関連事業者等が必要な対応>

ガイドラインを参考にして表示内容を点検し、必要に応じて包装資材を変更する。


<不使用表示に関する主な違反の可能性がある例と、許容される切り替え例>

不使用表示に関する主な違反の可能性がある例と、許容される切り替え例

【出展】参考文献⑪消費者庁の啓発チラシ・ポスター」を改変・作成



まとめ

食品表示法は時代の流れに応じて改正が行われています。食品関連事業者などは、これまでの変更点を把握しながら、必要な対策を怠らないようにしましょう。法令改正に迅速に対応し、順守することが求められます。


法改正自動対応サポート

 

執筆者

管理栄養士:横川仁美 

食専門ライター×Nadiaアーティスト(料理研究家)

横川仁美

保健指導を中心に述べ2500人の食のアドバイスに携わる。食事・栄養・食材のコラム執筆・監修、レシピ作成を中心に活動、薬機法・景品表示法・健康増進法・食品表示法の知識を活かし、企業の記事作成や商品オリジナルレシピ開発に携わる。



<参考文献>


閲覧数:828回0件のコメント
bottom of page