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ECサイト上での食品表示情報の重要性と食品販売におけるポイント

更新日:2月16日


ECサイト上での食品表示情報の重要性と食品販売におけるポイント

食品販売時には、食品表示法に基づき、容器包装に原産地や原材料名などの情報を表示する必要があります。一方、ECサイト上においては、食品表示基準の適用範囲外となっています。

ECサイトにおける食品表示の情報について充実を図るため、消費者庁は「インターネット販売における食品表示の情報提供に関するガイドブック(2022年6月)」を公表しました。

今回は、ECサイト上での食品販売において掲載が望ましい食品表示の情報や書き方について解説します。


ECサイト上における食品表示情報の重要性


近年、インターネットを通じて食品を購入する機会が増えているなか、ECサイト上での食品表示情報の掲載は、食品表示基準の適用範囲外となっています。そのため、実際の容器包装の食品表示とECサイトの食品表示情報が一致していないケースが見られます。


ECサイト上では、消費者は商品の容器包装を直接確認することができないため、消費者の健康や安全のためにも原材料、アレルギー情報、栄養成分などを明確に表示することが大切です。


そこで、消費者庁は、消費者の意向や事業者の取組実態の調査を実施し、望ましいECサイト上の食品表示情報についての検討を経て、「インターネット販売における食品表示の情報提供に関するガイドブック」を公表しました。


当ガイドブックでは、ECサイト上での食品表示情報の提供方法やその考え、効用について説明されています。



ECサイト上で提供が望ましい食品表示情報の内容


当ガイドブックでは、ECサイト上でもできる限り食品表示基準に準じた方法で食品表示を掲載することを推奨しています。


ECサイト上で提供する望ましい食品表示情報や掲載方法は、取り扱う食品の種類やECサイトのカテゴリによって異なる場合があります。ガイドブックを参考ツールとして、自社に合わせた情報提供を検討しましょう。



1. 期限情報


ネット通販上では、発注と発送に時間差があります。賞味期限や消費期限の表示が難しいものですが、“あと何日おいしく食べられるのか”を示す期限残表示をして情報を提供することが望まれます。期限残表示が難しい場合には、期間表示や一定期間以上の期限残のある商品を届ける旨をサイト全体の方針として掲載する方法もあります。


<具体例>

①具体的な消費・賞味期限の表示

到着日が指定されており、逆算して製造している商品や賞味期限が特定されている場合(例:おせち料理、クリスマスケーキなど)。

例)賞味期限:●年●月●日/消費期限:●年●月●日

クリスマスケーキ・おせち

②期限残表示

到着日または出荷日から起算する掲載方法です。配送日や地域が限定されている場合や配送期間などが明確な場合。しかし、配送状況によっては、期限残にズレが生じることがあります。

例)到着日から●日/出荷の時点から起算して●日前後など


③期間表示

期間表示は、「食品そのものに設定された賞味(消費)期限までの期間を示します。出荷や配送のスケジュールに左右されないため、管理しやすい利点がありますが、消費者には、商品を受け取ってから起算した賞味(消費)期限と勘違いされることがあります。

例)賞味期限●日/製造日より●日など


④サイト全体方針掲載

具体的な期限情報の掲載が難しい場合、個別商品ページではなくサイト全体として期限情報の提供の方針を掲載する方法があります。

例)本サイトでは、定めた日数以上の商品に限り、出荷させていただいております。など



2. 食物アレルギー情報


食物アレルギー情報は、原材料名欄において、それぞれの原材料の直後に、それぞれに含まれる特定原材料などを掲載することが原則です。さらに、独立したアレルゲン事項欄や一覧表、イラストなどによって、分かりやすくする工夫も推奨されています。


<具体例>

目立つ文字で記載/独立したアレルゲン事項欄を作成

食品表示アレルギー情報記載例


3. 原料関連情報


食品の原材料情報には、原材料、添加物、アレルゲンなどが掲載されています。通常、容器包装ではこれらをまとめて表示しますが、ECサイトでは原料原産地名や添加物、アレルゲンなどの情報を事項欄を分けて示すことで、よりわかりやすい表示ができます。


<具体例>各情報を分けて記載する方法

原料関連情報記載例


4.産地情報


生鮮食品の原産地情報は、その品質において重要な要素であり、商品を選択するうえで、把握したい消費者が多いことから、食品表示基準に準じた情報提供が望まれます。加工食品の原料原産地名の情報も可能な限り提供することが推奨されています。

5. 保存方法


「冷蔵」「冷凍」など、適切な保存方法は、消費者にとって重要な情報です。アイコンやイラストを使用しわかりやすく表示することができます。また、食品表示基準に準じた具体的な保存方法(例:「10℃以下で保存してください」)を別途掲載することで、より充実した情報提供が可能になります。


<具体例>

①「冷凍」「冷蔵」「常温」をイラストで掲載

保存方法記載例

②具体的な保存方法も可能な限り掲載

食品表示具体例


6.栄養成分表示


栄養成分については、ECサイト上でも、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量)の順にするなど、できる限り食品表示基準に準じた表示方法で掲載することが望まれます。また、商品に応じて適切な単位(例:1食分当たり、1本当たり)を使用して、栄養成分の量を掲載するようにします。


※「インターネット販売における食品表示の情報提供に関するガイドブック」の一部を抜粋・改変したものです。詳しくは、ガイドラインをご確認ください。



ECサイト上への食品表示情報の掲載が望まれる対象事業者


EC サイト上への食品表示情報の掲載が望まれる対象事業者は、以下の通りです。


・ネットスーパー運営者

・定期購入や宅配サービス事業者

・お取り寄せ品販売事業者など


また、食品の製造事業者やネットモール、プラットフォーム運営事業者なども食品表示情報の掲載に関して理解が必要と言えるでしょう。



ECサイト上で食品表示情報を掲載するメリットと留意点


ECサイト上での食品表示情報の掲載は、事業者にもメリットがあります。消費者から信頼を得られやすくなることで、売上が向上する効果が見込めます。また、事業者に対する消費者の問い合わせが減れば、そこに費やす時間や労力を削減できます。


正確な情報を提供するためには、正しい食品表示情報データを入手し管理することが重要です。掲載する位置についても、できるだけ分かりやすいように考慮しましょう。



まとめ


ECサイト上での食品販売は食品表示が必須であり、正確で分かりやすい情報提供が必要です。

食品表示法、景品表示法等に精通し、正しい表記をすることで、消費者の安全、また、消費者からの信頼性の向上にも役立ちます。

ただ、食品表示法は毎年不定期に更新となる為常にチェックが必要です。


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<参考文献>


(全データ2023/05/30参照)







執筆者

管理栄養士:横川仁美 

管理栄養士:横川仁美

食専門ライター×Nadiaアーティスト(料理研究家)

管理栄養士を取得後、保健指導を中心に、のべ2500人の方の食のアドバイスに携わる。現在は、食事・栄養・食材のコラム執筆・監修、レシピ作成を中心に活動、薬機法・景品表示法・健康増進法・食品表示法の知識もいかしながら、様々な企業の記事作成や商品オリジナルレシピ開発を行っている。



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