【販売/形態・方式別】食品表示の必要or不要な事業者まとめを「プロ」が解説
- サービス フードガイド
- 2025年12月14日
- 読了時間: 10分

食品表示は、消費者が食品を安全かつ正確に選択できるようにしたり、事業者が適切に情報を提供するためのルールです。食品表示法の施行により、具体的な表示のルールを規定した「食品表示基準」が定められ、食品を製造・加工・輸入・販売する際には、この基準に従い食品表示が必要な事業者・不要な事業者化を判断する事が必要です。
事業者(製造者、加工者、販売者、輸入者のいずれか)は、食品を出荷・販売する前に表示が適切か確認し、仕入れ時も同様に確認することが推奨されます。
■目次
製造・加工業者
小売業者
テイクアウト・宅配事業者
通販事業者
生鮮食品を扱う事業者
対面販売・量り売り
業務用食品を販売する事業者
店内で提供する料理や飲み物
移動販売・イベントでの短時間販売
個人間の贈答や非営利目的の配布
Q1. フードフェスやマルシェで弁当を販売する場合は?
Q2. 移動販売車でホットドッグを提供する場合は?
Q3. 通販でギフト用菓子や加工食品セットを販売する場合は?
行政権限
罰則
アレルゲン表示の見直し(2023年〜)
栄養成分表示・栄養強化表示の見直し
食品期限表示の見直し
食品添加物の不使用表示に関するガイドライン
■食品表示の必要or不要な事業者まとめ(生鮮食品と加工食品での表示項目の違い)
食品の種類によって表示内容や義務が異なります。ここでは生鮮食品と加工食品の違いを整理します。
種類 | 主な表示項目 | 例 |
加工食品 | 名称、原材料名、添加物、原料原産地、内容量、賞味期限または消費期限、保存方法、原産国名(輸入品のみ)、食品関連事業者(製造業等)、製造所(加工所)等、その他(調理方法、使用方法等) | 漬物、惣菜、弁当、菓子等 |
生鮮食品 | 名称、原産地、その他(栽培方法、内容量等) | 野菜・果物、米、生肉、刺身等 |
ポイント
加工食品:製造や加工が施された食品。軽度の塩漬けや湯通し、簡易な調味加工等も含まれます。
生鮮食品:加工食品や添加物以外の食品で、収穫後に調整・選別・水洗いなどを行ったもの、単に切断したもの、または凍結したものを含みます。

■包装・販売形態に応じた表示義務の判断基準
食品表示が必要かどうかは、「販売場所」と「容器包装の有無」で判断します。
包装された食品は原則としてすべて表示義務の対象となり、包装されていない食品は一部の情報(名称・原産地等)が必要です。
種類 | 包装 | 販売場所 | 表示義務 | 例 |
生鮮食品 | 無し | 店頭販売・市場等 | 一部表示(名称・原産地) | 野菜、果物、鮮魚等 |
加工食品 | 有り | 製造者販売/小売店/通販 | 主に全項目必須 | 弁当、パン、冷凍食品、菓子、加工惣菜等 |
無し | 対面販売・量り売り | 一部表示または口頭案内 | 惣菜、パン、菓子等 | |
外食 | ₋ | 店内飲食 | 食品表示法の対象外(推奨表示あり) | レストランの料理、カフェのドリンク等 |
ポイント
包装された食品は原則すべての表示義務が適用されます。
包装されていない食品(生鮮食品・量り売り等)は、名称や原産地等一部情報の表示が必要です。
外食や店内で提供する料理は食品表示法の対象外ですが、アレルゲンや主要原材料の案内は推奨されています。

■表示対象となる主な事業者
食品表示は、販売形態や包装の有無によって表示義務の範囲が変わります。
製造・加工業者

パン、菓子、惣菜、冷凍食品等を製造して
包装する場合、すべての表示が必要です。
小売業者

スーパーやコンビニで販売する弁当、総菜、加工食品も容器包装されているため、表示義務があります。
テイクアウト・宅配事業者

持ち帰り弁当やデリバリー食品は、原則として容器包装食品として表示が必要です。ただし、店頭で注文を受けてその場で詰める「店頭包装」の場合は、対面販売とみなされ、表示義務はありません。デリバリーの場合は、食品に直接表示できない場合でも、Webやアプリでの原材料・アレルゲン情報の提供が推奨されます。
通販事業者

ECサイトで販売される食品も基本的に容器包装された状態で消費者に届けられるため、表示対象です。商品ラベルに加え、ECサイト上でも原材料名やアレルゲン、賞味期限等を可能な限り掲載することが推奨されます。
生鮮食品を扱う事業者

包装されていない野菜・果物・鮮魚等の場合、店頭のプライスカードやPOP等で「名称」と「原産地」の表示が必要です。個包装して販売する場合は、容器包装に入れられた農産物として、容易に確認できる見やすい箇所に名称や原産地を表示する必要があります。
対面販売・量り売り

惣菜や菓子、パン等を対面で販売する場合、包装されていなければ食品表示義務はありません。ただし、消費者の安全確保のため、アレルゲン情報は口頭または掲示で案内することが推奨されます。
注文後にその場で包装して渡す場合(店頭包装)は、対面販売扱いとなり表示義務はありません。一方で、あらかじめ包装して陳列販売する場合は、容器包装食品として表示が必要です。
業務用食品を販売する事業者
飲食店や施設向けでも、容器包装された状態で出荷される場合は表示が必要です。最終消費者に販売されない「中間製品」は略式表示で対応できる場合があります。
■食品表示が不要なケース
表示義務が不要なのは、主にその場で消費される食品や包装されていない食品です。ただし、別の法令やガイドラインにより、一部表示が求められる場合もあります。
店内で提供する料理や飲み物
例:レストランのランチ、カフェのドリンク、ホテルの朝食ブッフェ → 食品表示法の対象外ですが、アレルゲン情報は掲示・案内が推奨されます。
移動販売・イベントでの短時間販売
例:フードフェス、屋台、移動販売車 → 現場で調理し、その場で喫食されることを前提とする場合は、原則として食品表示義務はありません。ただし、あらかじめ包装して販売する場合や、持ち帰りを前提とした商品として販売する場合は、容器包装された加工食品として表示が必要です。
一方、その場で食べることを前提に販売した商品を、購入者の判断で持ち帰る場合は、表示義務の対象外とされることが多いです。また、管轄保健所が安全確保のため表示を求める場合は、その指導に従います。
個人間の贈答や非営利目的の配布
例:地域イベントでの無料配布、自家製食品の贈り物 → 販売目的でなければ表示義務はありませんが、アレルゲンや保存方法を伝えることが推奨されます。

■ケース別 Q&A:通販・移動販売・イベント出店
ここでは、通販や移動販売、イベント出店等、実際の販売シーンで表示が必要かどうかを整理しました。販売の場で判断する際の目安としてご活用ください。
Q1. フードフェスやマルシェで弁当を販売する場合は?
→ 原則として、容器包装された食品として表示が必要です。ただし、現場で調理・販売してその場で消費される場合は、食品表示法の対象外となります。
口頭案内や貼り紙で原材料・アレルゲン情報を消費者に伝えることが推奨されます。管轄保健所の指示に従いましょう。
Q2. 移動販売車でホットドッグを提供する場合は?
→その場で調理して提供する場合は表示不要です。持ち帰り用にあらかじめ包装して販売する場合は、容器包装食品として表示が必要です。
多くの移動販売ではラベル表示を行っていませんが、アレルギー食材を使用する場合は、口頭案内や掲示で消費者に知らせることが推奨されます。
Q3. 通販でギフト用菓子や加工食品セットを販売する場合は?
→ 原則どおり、容器包装食品として表示が必要です。
商品ラベルに加え、ECサイト上でも原材料名、アレルゲン、賞味期限等を正確に掲載することで、消費者が安心して購入できる環境を整えることが推奨されます。

■表示義務違反のリスク
食品表示は消費者の安全に直結するため、違反があると行政処分・罰則・信用リスクが伴います。
行政権限
立入検査、報告徴収、物件提出、回収命令等
実施主体: 主に消費者庁長官および都道府県知事(法令上は内閣総理大臣が所管し、権限の一部が農林水産大臣・財務大臣等に委任されています)
緊急時には、消費者の生命・身体保護のため回収命令が出されることがあります
罰則
食品表示基準に即さない表示
個人:2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金またはこれらの両方
法人:1億円以下の罰金
原産地(原材料の原産地を含む)について虚偽の表示
個人:2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金
法人:1億円以下の罰金
立入検査拒否や自主回収届出未提出も対象

■最新制度・改正ポイント(2023〜2025年)
消費者が安全で適切な食品選択を行い、健康管理に活用できるよう、アレルゲンや栄養成分に関する表示制度の見直しが進められています。2023年以降の主な改正ポイントは以下の通りです。
アレルゲン表示の見直し(2023年〜)
「くるみ」の表示義務化 従来は推奨表示でしたが、2023年3月9日に食品表示基準の一部が改正され、現在は新表示基準への対応が必須となっています。
特定原材料(改正後):えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)
「マカダミアナッツ」の追加と「まつたけ」の削除 2024年3月28日に公布された改正により、推奨表示対象として「マカダミアナッツ」が追加され、「まつたけ」が削除されました。 特定原材料に準ずるもの(改正後):アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
↓「くるみ」表示義務化については下記の記事を参照↓

栄養成分表示・栄養強化表示の見直し
栄養素等表示基準値および栄養強調表示の改正
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」を踏まえ、栄養素等表示基準値が改正されました。 経過措置期間:2028年3月31日まで
栄養強化目的の添加物の表示義務化
これまで免除されていた栄養強化目的で使用される添加物も、表示義務の対象となります。 経過措置期間:2030年3月31日まで
食品期限表示の見直し
「食品期限表示の設定のためのガイドライン」が改正され、食品関連事業者等は、食品ロス削減と安全性確保の両方を考慮し、消費期限・賞味期限を設定できるようになりました。 改正公表日:2025年3月28日
食品添加物の不使用表示に関するガイドライン
2024年3月に公表されたガイドラインにより、「無添加」や「食品添加物不使用」といった表示が、消費者に誤認を与えるおそれがある場合の判断基準が示されました。法的な義務ではありませんが、表示内容の確認や見直しを行い、消費者の誤解やトラブルを防ぐことが推奨されています。
■まとめ
食品表示義務は、容器包装の有無だけでなく、販売形態や提供方法によっても変わります。店内飲食では原則不要ですが、持ち帰りや宅配・通販で消費者に提供する場合は表示が必要です。
重要情報(アレルゲン、賞味期限等)は正確に示し、消費者の信頼を守ることが事業継続とブランド価値の維持につながります。表示義務の判断に迷う場合は、販売形態と包装の有無を基準に整理し、最新の法令・ガイドラインを確認することが重要です。
※この記事に掲載されている情報を利用する際には、お客様自身の責任で行ってください。
※本記事の情報は公開時や更新時のものです。現在の状況や条件と異なる場合があります。また、記事の内容は予告なく変更されることがありますので、ご了承ください。
執筆者

管理栄養士:横川仁美
食専門ライター×Nadiaアーティスト(料理研究家)
管理栄養士・横川
保健指導を中心に述べ2500人の食のアドバイスに携わる。食事・栄養・食材のコラム執筆・監修、レシピ作成を中心に活動、薬機法・景品表示法・健康増進法・食品表示法の知識を活かし、企業の記事作成や商品オリジナルレシピ開発に携わる。
<参考文献>
消費者庁「早わかり食品表示ガイド」https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pamphlets/assets/food_labeling_cms201_250512_02.pdf
消費者庁「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック」p6https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/assets/food_labeling_cms204_210514_01.pdf
消費者庁「インターネット販売における食品表示の情報提供に関するガイドブック」(令和4年6月)https://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms202_220615_02.pdf
消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220330_25.pdf
(全2025/10/01参照)
最終更新日:2025年12月13日
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