「栄養価表示をしなければならない対象者は?表示方法はどのようにするのが適切?」
そんな疑問に対して、お答えする記事です
本記事で分かること
・栄養価成分表示についてどのように表示するべきかわからない
・表示義務となる対象事業は?経過措置は?
・旧制度からの変更点
・栄養成分表示について対応するには?
本記事をすべて読んでいただくと、上記の内容が解消できます。
栄養価計算を依頼を受けて行っている管理栄養士の立場からどのように行うべきなのかわかりやすく解説していきます。
本記事のライター
門畑恵莉
【経歴】
●1987年生まれ●愛知県出身●管理栄養士
●飲食業界10年以上経過●現在フードガイドサービスにて食品表示・栄養価計算を専門に行っています
Twitterでは食品表示法や栄養価成分表示等に関するお役立ち情報発信中
目次
・食品表示法の概要
経緯
目的
経過措置について
変更点
・表示義務食品・栄養表示事項・表示の方法
表示義務対象食品・任意表示食品
表示する栄養成分について
栄養価の数値基準について
・表示省略可能な食品例
・合理的な推定による表示
炭水化物について
ナトリウムについて
・栄養成分表示を解決する方法は?
食品表示法の概要
【経緯】
これまで食品表示は、目的の異なる複数の法律に定めがあったために、制度が自体が複雑でわかりにくいものとなっていました。そこで消費者庁は食品衛生法、健康増進法及びJAS法の食品表示に関する規定を包括的に一元化した食品表示基準を2015年4月1日に施行しました。これにより消費者・事業者双方に分かりやすい食品表示の制度がスタートしました。
【目的】
食品を消費者が購入及び飲食する際の安全性の確保及び自主的且つ合理的な食品の選択機会を確保する事。消費者の利益増進を図るとともに、食品衛生法、健康増進法及びJAS法による措置と相互作用をすることで、国民の健康増進・保護、食品の生産・流通の円滑化、消費者の需要に即した食品の生産に寄与する事
【経過措置】
2015年4月1日に施工され、旧基準による表示が認められている期限は2022年3月31日までとされているため現時点では猶予期限は過ぎています。
【変更点】
旧制度からの変更
加工食品と生成食品の区分の統一
製造所固有記号の使用方法
アレルゲン(アレルギー物質)の表示方法
原材料名の表示方法
栄養価成分表示の義務化
表示可能面積が小さい場合でも省略不可となる事項 ほか
機能性表示食品制度の新設
表示義務食品・栄養表示事項・表示の方法
■表示義務対象食品
容器包装された一般消費者向け加工食品、一般用添加物
※義務表示の特例条件
①食品を製造、または加工した場所で販売する場合 例:直売所
②不特定又は多数の者に対して販売を除く譲渡 例:無料サンプルを渡す
上記の場合表示義務はありません。
ただし表示する事が一般化されている昨今においては表示をした方が無難と言えます。
■任意表示対象食品
業務用加工食品、一般用生鮮食品、業務用生鮮食品、業務用添加物
※容器包装に何らかの栄養成分表示を任意に行う場合は、食品表示基準に従う
表示する栄養成分について
■義務表示項目
熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量
■推奨表示
飽和脂肪酸、食物繊維
■任意表示
糖類、糖質、コレステロール、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、亜鉛、カリウム、カルシウム、クロム、セレン、鉄、銅、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ヨウ素、リン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸
■表示方法
①邦文(日本の文字)で、読みやすく理解しやすいような用語により正確に行う。
②容器包装(容器包装が小売りのために包装されている場合は、当該包装)開封しないでも容易に見ることができるように容器包装の見やすい箇所に表示する
③表示に用いる文字の大きさは8ポイント以上(約2.82 mm)
ただし表示面積が150㎠以下の場合は5.5ポイント以上(約1.94mm)でもOK
※1ポイント≒0.35mm 日本工業規格基準
栄養価の数値基準について
①一定の値又は下限値及び上限値により表示する
②許容差の範囲(当該食品100gまたは100mlあたり)
熱量、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量 -20%~+20%を許容
※低含有量の場合許容差の範囲が拡大される成分等あり
※その他栄養成分ごとに許容差に範囲あり
③「0」と表示する事が出来る量
当該食品100g又は100mlあたりの当該栄養成分量の量又は熱量が以下の量に満たない場合
④食塩相当量の表示の仕方
食塩相当量とは食塩に含まれているナトリウム量を食塩の量に換算した
食塩相当量の計算式
食塩相当量(g)≒ナトリウム(mg)×2.54÷1000
小数第一位(食塩相当量の最小表示の位)に満たない場合であって、ナトリウム量が「0」と表示する事が出来る量以上であるときは、有効数字1桁以上とする
表示省略可能な食品例
①容器包装の表示可能面積が約30㎠以下であるもの
②酒類
③栄養の供給源としての寄与の程度が小さいもの
・熱量、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウム全ての項目で「0」と表示する事が出来るもの
・一日に摂取する当該食品由来の栄養成分の量及び熱量が社会的通念上微量な場合
例:ハーブ・茶葉・コーヒー豆その抽出物、スパイス類
④きわめて短い期間で原材料が変更されるもの
・日替わり弁当(ただしサイクルメニューの場合を除く)等レシピが3日以内に変更される場合
・複数の部位を混合している為都度原材料が変わるもの 例:合いびき肉等
⑤消費税法第9条1項において消費税を納める義務が免除されている事業者が販売するもの
また、当分の間小規模企業者(概ね常時使用する従業員の数が20人以下の事業者)が販売するもの
※栄養成分表示をするもの、特定保健用食品及び機能性食品を除く
合理的な推定による表示
表示値とおりの栄養成分含量となるように製品を品質管理する事が困難な場合、合理的な推定方法に基づく「この表示値は目安です」「推定値」と明示し表示しそのことを適切な表現で示したうえで表示する事が出来る(一部の成分についてのみ推定値を記載売ることも可能)ただし
その含有量は一定値で記載しなくてはならない
またこの場合表示地設定根拠を保管し、行政からの求めに応じて開示する事が必要となる。根拠資料は表示が行われる機関、販売流量の場合は最終製造製品の賞味(消費)期限が経過するまで保管する事
※機能を表示する栄養成分、栄養強調表示をする栄養成分の量及び熱量は「食品表示基準について別途栄養成分等の分析方法等」に規定された分析法により測定する事
【炭水化物について】
①糖質及び食物繊維の表示をもって炭水化物の表示に変えることは不可
表示をする場合は炭水化物を表示したうえで、その内訳として糖質と食物繊維を表示する
②糖質又は食物繊維の量のいずれかを表示しようとする場合にあっては、糖質及び食物繊維の量の両方を表示する
③炭水化物の内訳表示の内「糖類」のみを表示することは可能
その場合は炭水化物の下に一文字提げて「糖類」と表示する
【ナトリウムについて】
①ナトリウム塩を添加していない食品又は添加物について、食塩相当量に加えてナトリウムを表示しようとする場合は「食塩相当量」を「ナトリウム(食塩相当量)」等に代えて表示する事が出来る
③食塩相当量を栄養成分表の枠外に記載することは不可
・縦に表示する事が出来ない場合、横に並べて表示する事も可能
・近接した二つの表示事項が「0」である場合は一括して表示する事が可能
栄養成分表示を解決する方法は?
表示義務を果たすためには今回栄養価計算だけではなくアレルギー食品の管理や食品表示法に適した表示形式対応・栄養計算等を行う必要があります。
対応のための人材の確保、システム導入、原材料登録、食品表示法・栄養学に関する教育等には多くのコスト・時間が発生し、担当者次第では確実性も揺らぐリスクもあります。
努力してゼロから運用するのもいいのですが、スマート&コスパ良い解決方法としてプロに食品表示ラベル作成は外注をオススメします。
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食品表示ラベル作成ではアレルギー食品の管理・栄養価計算もトータルサポートで行っております。お困りの方は代行という選択でスマートに解決される事をお勧めします
参考文献
DTP・印刷用語集
事業者向け食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン PDF
消費者庁 栄養成分表示について
2023/8/25 一部修正
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