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【食品表示法】アレルギー表示「くるみ」の義務化について管理栄養士が解説

更新日:1月22日


【食品表示法】アレルギー表示「くるみ」の義務化について管理栄養士が解説

近年、くるみによるアレルギー症例数が増えていることを踏まえて、令和5年3月9日に食品表示基準が改正され、「くるみ」が、容器包装された加工食品で表示が義務づけられているアレルギー物質(特定原材料)に追加されました(注1)。


これにより、特定原材料は卵、小麦、乳、えび、かに、落花生、そばの7品目から8品目となります。今後、食品関連事業者等は、くるみを含む原材料を使用する場合、アレルギー症状を引き起こす可能性があることを十分に認識し、経過措置期間(令和7年3月31日)以内に、表示の切り替えを行う必要があります(注2)。


そこで今回は、「くるみ」が表示対象になった経緯と食品関連事業者の今後の対応について解説します。






■「くるみ」が義務表示対象品目追加に至った経緯とは?


2023年3月9日、食品表示基準の一部を改正する内閣府令が公表され、食物アレルギーの義務表示対象品目に「くるみ」が追加されました。


くるみのアレルギー表示義務化の背景には、近年のくるみアレルギーの症例数増加が挙げられます。3年ごとに実施されている全国実態調査によると、2020年度の即時型食物アレルギーの原因食物は、1位が鶏卵、2位は牛乳、3位は木の実類で、前回調査(18年度)の3位の小麦を上回りました。「木の実類」のなかでも、「くるみ」はその過半数を占めており、消費者委員会食品表示部会では、くるみの即時型症例数、ショック症例数の推移から、表示の義務化を視野に入れた検討がされていました(注3)。

アレルギー症状の一覧「木の実」について

【出展】消費者庁「令和3年度 食物アレルギーに関連する調査研究事業 報告書」を改変・作成


■食品関連事業者等が必要な「くるみ」への対応


「くるみ」のアレルギー表示切り替え期間として、2025年(令和7年)3月31日までは、経過措置期間となっていますが、アレルゲンにくるみを表示していない食品関連事業者は速やかな表示が求められます。


また、「特定原材料に準ずるもの(20品目)」の中で、アレルギー症例数が木の実類のなかでくるみに次いで多い「カシューナッツ」についても、健康被害防止の観点から、可能な限りのアレルギー表示が求められています。


■食物アレルゲンの表示が義務化・推奨されている品目



・特定原材料(8品目)

発症数が多く、重篤度が高いもの。義務表示。

小麦、卵、乳、えび、かに、そば、落花生(ピーナッツ)、くるみ(※)

・特定原材料に準ずるもの(20品目)

症例が一定数報告されるものの、特定原材料に比べると少ないもの。表示が推奨。

カシューナッツ、アーモンド、豚肉、牛肉、あわび、いか、いくら、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、りんご、もも、オレンジ、キウイフルーツ、まつたけ、やまいも、ごま、ゼラチン

※くるみは現在、経過措置期間。2025年の4月から表示が義務化。

特定原材料8品目+特定原材料に準ずる20品目一覧
特定原材料8品目+特定原材料に準ずる20品目一覧

<アレルギー表示の対象>

対象となっている食品は「容器包装された加工食品と添加物」です。包装されていないパンや対面販売の惣菜などは対象外となっています。


<食品関連事業者等が必要な対応>

1.アレルゲンとしてくるみを表示していない場合は、速やかに表示する。

2.原材料と製造方法を再確認する。

3.原材料段階での管理に関する仕入先へ再確認する。

4.必要に応じてアレルゲン検査を行い確認する。



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■本記事の筆者について

上級食品表示診断士 塚狭


上級食品表示診断士 塚狭
上級食品表示診断士 塚狭

【プロフィール】

■資格

・上級食品表示診断士

・管理栄養士・栄養士・調理師・幼児食アドバイザー・食生活アドバイザー

■経歴

集団調理にて管理栄養士として長年勤務

その後栄養士養成学校・調理師養成学校にて食品表示・幼児食・栄養学の分野の教鞭をふるい10年以上のキャリアあり

地方自治体の食品提供イベントの運営

企業・個人店舗の食品コンサル


食品表示質問箱


<参考文献>

その他)


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※本記事の情報は公開時や更新時のものです。現在の状況や条件と異なる場合があります。また、記事の内容は予告なく変更されることがありますので、ご了承ください。

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(全データ2023/05/01参照)


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